ここ数年、化粧水や美容オイル・クリーム・乳液・リップクリームなど、いろんな基礎化粧品を手作りして使っています。
石鹸はオイルからは作っていませんが、石鹸素地と美容成分を使って手作りしています。
このサイトに来られる方で、手作り化粧水などの危険性について知りたい方がおられましたので、今回の記事では「手作り化粧品の危険性」についてまとめます。
実際に私は手作り化粧品を使い続けていますので、そういう視点からいろいろ書けたらなと思います。
手作り化粧品の危険性とは
手作り化粧水などを使うことで危険があるかというと、【ある】とも言えますし、【ない】とも言えます。
知識なしに適当に手作りした化粧品は危険な場合もある、という感じですね。
知識がないことで起こる危険には、以下のようなものがあります。
・適切に保管せず、腐らせてしまう
・きちんと容器などを消毒しないことで、腐らせてしまう
・腐った化粧品を気付かず使ってしまい、肌トラブルが起きる
・光毒性のある成分を日中に使ってしまい、日焼けやシミを引き起こす
この内容について、詳しくはもうちょっと後で解説したいと思います。
あとは知識は関係なく、自分の肌に何が合うか?という問題があります。
どんなに自然のいい成分だとしても、肌に合わなければ赤くなったり、痒くなったりすることもあります。
例えば、私はローヤルゼリーが肌に合わないようで、ピリピリして痒くなっちゃいます。でももちろん大丈夫な方もいます。
これについては市販の化粧品にも言えることで、私は市販の化粧品でかぶれた経験が何度もあります。
ひどいときは皮膚科に駆け込むくらい、顔じゅう真っ赤になりました。
ドラッグストアなどで売られている商品だけでなく、敏感肌向けと言って売られている無添加化粧品でも、かぶれたり肌が痛くなったり赤くなったりすることが何度もありました。
そういったこともあって、私は手作り化粧品を作って使っています。
危険性についての詳細
先ほど挙げた危険性について、いくつか詳しく書いてみます。
例えば、保湿成分である『グリセリン』という成分があります。
石油由来のものと植物由来のものがあるので、私は植物由来のものを使っています。
配合量は5%以下が基本なのですが、「入れれば入れるほど保湿力が高まるのでは?」と考え、10%入れてしまう方もいるかもしれません。
ただ、そうするとどうなるかというと……肌が逆に乾燥してしまいます!
グリセリンは多く入れすぎると、肌の内部の水分を奪ってしまうんです。
そういった知識がなければ、手作り化粧水のせいで肌が乾燥してしまうかもしれません。
精油もよく手作り化粧品に使われますが、例えば化粧水に精油を入れるとします。
私はラベンダーの精油を精製水に溶かしたものが肌に合って好きなんですが、精油ってそのままじゃ水に溶けないんです。油分なので。
それを知らないで、精製水に精油を入れただけで使ってしまうと、濃い濃度のまま精油が肌について、肌トラブルを起こす可能性があります。(ラベンダーの精油ならそのまま塗っても大丈夫な場合もあるんですが、精油は基本的にはそのまま肌に塗りません)
知識さえあれば、エタノールを使って精製水に溶け込ませるなど、危険でない使い方ができます。
ただ、そういった知識がなければ、肌には安全でない使い方を知らないうちにしてしまう可能性があります。
また、例えば「ボリジオイル」という植物オイルがありますが、これは美容オイルに使えるんですが、てんかん持ちの方は使用ができません。
「カロフィラムオイル(タマヌオイル)」も植物オイルですが、こちらは血液凝固剤を使っている方は使用不可です。
こういった、気を付けなければいけないことも成分によってはありますので、知らずに間違った使い方をすれば「危険」ともいえるでしょう。
もちろん、「手作り=危険」だとは考えていませんが…。
アレルギーに気を付ける
アレルギー持ちの方は多いと思いますが、私もアレルギー持ちなんです。
コメヌカは大丈夫でも、お米を発酵させたお酒から得られた成分でかぶれたことがあります。
例えば、キク科の植物にアレルギーを起こす方の場合、キク科の植物から得られたオイルや油脂(カレンデュラオイル、アルニカオイルなど)は使えない場合もあります。
マンゴーバターという、マンゴーの種子から得られる油脂なんかはそのまま美容クリームとして使えますが、マンゴーはウルシ科の植物なので、うるしアレルギー持ちの方はアレルギー症状が出る可能性もあります。
ちなみに私はブタクサの花粉アレルギーです。
ブタクサはキク科のブタクサ属なので、キク科の植物の花粉にアレルギーを起こしている状態です。
……が、キク科の植物カレンデュラを使ったカレンデュラオイルを使っても問題ありません。
「アレルギーが起こる可能性を考えて使わない」こともできますし、「アレルギーが起きないんだから使おう」ということもできます。
それは手作り化粧品を使う上での自由でもありますし、自己責任とも言えます。
なぜ私は手作り化粧品を使うのか
こういった面倒なことがありつつ、なぜ私が化粧品を手作りするのかというと、以下のような理由があります。
・化粧品を手作りすると、シンプルな材料だけで作れるので、何が原因で肌トラブルが起きたか原因を追究しやすい
・どの成分が自分の肌に合わないのかを知りたい
・化粧品についての知識をある程度もっている(日本オーガニックコスメ協会認定のオーガニックコスメアドバイザー資格取得済み)
市販品は怖くて使えないということが、一番大きな理由です。
また、市販の化粧品の全成分を見ていただくと分かりますが、かなり多くの種類の成分が使われています。
これでは、どの成分が肌に合わなかったかが分かりません。
手作り化粧水の場合、「精製水+グリセリン」とか「精製水+エタノール+精油」「芳香蒸留水+ベタイン」など、とてもシンプルですから、万が一肌に合わなかった場合、どの成分が怪しいかが分かりやすいんです。
美容オイルやバターも同じで、例えば植物性の油脂をそのまま保湿クリームとして使った場合、「どの成分が自分に合わないか」が分かりやすいです。
こういう理由があって、私は面倒でも手作り化粧品を作って使い続けています。
手作り化粧品のメリットとデメリット
化粧品を手作りすることについて、以下のようなメリットやデメリットがあります。
・知識がないことで肌トラブルが起きる可能性がある
・保管方法に制限がある(防腐剤を使わない場合、冷蔵庫で保管する)
・使用期限が短い(防腐剤を使わない場合)
・使い方や配合量を間違える可能性がある
・容器の消毒が面倒
・わざわざ作るのが面倒
・自分の肌に合う成分だけを使うことができる
・使えない、使いたくない成分を排除できる
・配合量を自在に変えられる(最大配合量は守ること)
・何が入っているかが全て分かる
・市販品を買うよりコスパがいい
市販品の場合、例えば「香料」と書かれていても、石油由来のものなのか、精油なのかすら分かりません。
でも手作りの場合、どの精油を使ったかまで分かります。
こういった部分は、手作りならではのメリットだと思います。
私としては、化粧品を手作りするようになってから、肌の調子もよくなってきて安定してきてますので、「手作りしてみてよかったなぁ」と思っています。
たまに作るのが面倒な時がありますが、かぶれて皮膚科に駆け込むよりはマシです。
簡単なところから始めてみよう
そんなこんなで、手作り化粧品の危険性についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。
けっこう気をつけなきゃいけないことも多いですし、ハードルが高いかなとは思うのですが、一度やってみると「わりと簡単なんだな」と思ったりもします。
もし化粧品の手作りに興味があるのであれば、成分がとてもシンプルな化粧品を選んでみるとか、まずは植物のオイルや油脂(バター)を美容クリーム代わりに使ってみるところから始めるなど、ハードルの低いところから試してみるといいと思います。
↑私もよく使うバタービュッフェですが、少量でいろいろ試せるし、クリーム代わりにそのまま塗るだけなので簡単でオススメです。
顔はもちろん、全身に使えます。そのままでリップクリームにもなります。
くれぐれも、初めて使うものはパッチテストをしてから使ってくださいね。
(パッチテスト・・・二の腕の内側など目立たない皮膚の薄いところに塗ってみて、半日後~1日後に肌に異常がないか調べる)