私も化粧水としてよく使っているのが、芳香蒸留水です。
ハーブの蒸留水のことで、精油を作る時の副産物でもあります。精油の成分が溶け込んでいますが、ごく微量しか入っていないため、そのまま肌に付けても刺激がないのが特徴です。
・ハイドロゾル
・芳香蒸留水
・ハーブウォーター
・ハーブ蒸留水
これらは全部、同じもののことです。
蒸留法はいくつもあるんですが、そのうちハーブ用のメジャーな2つの蒸留法について、仕組みはどうなっているか、やり方など詳しくまとめていきたいと思います。
また、家で鍋を使ってハーブを蒸留する方法も一緒にまとめています。
水蒸気蒸留法の仕組みの図解とやり方
こちらが水蒸気蒸留法(steam distillation)の仕組みです。
精油を取り出すための、一番一般的なやり方です。採れる精油の量が多いんだとか。
水を加熱して、水蒸気を発生させます。蒸し器で蒸すような感じで、蒸気をハーブに当てます。そのまま蒸気は更に上に上がり、管を通って、冷却水の中で水滴に変化し、ビーカーに溜まります。
これが芳香蒸留水で、その上にごくわずかに浮かぶ油分が、精油です。
蒸留用の装置も市販されています。
蒸留用の装置を使った方が、蒸気モレがなくうまく作れます。
精油成分はごくわずかしか植物に含まれていないので、精油を作りたいのであれば、こういった蒸留装置を使った方が確実です。
のちほど、鍋を使って作る作り方も紹介します。
直接蒸留法(ハイドロ蒸留法)の仕組みの図解とやり方
こちらが直接蒸留法(water distillation)です。ハイドロ蒸留と呼ばれることもあります。
水の中にハーブを入れているのが特徴です。ハーブを煮出した水の蒸気が上に上がり、冷却水で冷やされて、芳香蒸留水と精油になります。
先ほど紹介した水蒸気蒸留法だと、熱されたハーブがシナシナになって、蒸気が通らなくなってしまうことがあります。そういったハーブには、この直接蒸留法を使います。
よく分からない、難しいという場合は、こちらの直接蒸留法でやった方が確実だと思います。
こういった装置で直接蒸留ができます↓
「アランビック」という蒸留装置が日本に入り、「らんびき」という名前になったのだそうです。
鍋を使って簡易のハーブ蒸留装置を作る
家で一度試したことがあるんですが、蒸し器用の鍋を使って、簡易の蒸留装置が作れます。
市販されているものとは違い密封状態ではないため、精油はまず取れないです。ラベンダーなどの精油を多く含むハーブでしたら、この方法でも取れるかもしれませんが…。
あくまでフローラルウォーターを簡単に作って、手作り化粧水に使おうという方向けです。
直接蒸留もできます↓
フタ代わりに耐熱のボウルを使います。ボウルを使う理由は、真ん中が凹んでいるから。
上がった水蒸気が冷やされてボウルにくっつきます。そして一番低い場所へ移動し、器に落ちます。もしフタが平らだったら、鍋の中のあちこちに水滴が落ちてしまい回収できません。
蒸し器だと、蒸留水を受け取るための器を置く場所があるので、使いやすいです。
ボウルの上の冷却用の水は、ぬるくなったらすぐ冷たいものに取り換えてください。もしくは、保冷剤か氷を入れておきます。これで30分ほどなら持ちます。
香りが付く場合があるので、料理用とは別に使い分けて下さいね。
あと、隣で見張っていてください。外からは水が無くなったかどうか分からないので、空焚きにならないよう注意します。水が沸騰してからは、ごくごく弱火で作業します。
蒸留後のハーブの使い道
蒸留した後のハーブですが、そのままお茶パックなどに入れて入浴剤として使えます。
直接蒸留をして煮出した液が余っている場合は、煮出し液ごとお風呂に入れましょう。もちろんハーブも入れます。
蒸留に使うハーブですが、乾燥させたものでも生のままでもどちらでも使えます。
ただし、購入する場合はオーガニックのものを買いましょう。農薬を使っているものは避けます。ハーブティー用の乾燥ハーブなどがオススメです。
ラベンダーのドライハーブならよく出回っていますし、価格も高くなく、精油が取れやすいです。
精油が取れたら、蒸留水とは別にして保管します(肌に直接付けられないため)。スポイトなどで吸い取るといいですよ。
保存方法と保存期間
自分で作ったフローラルウォーターは、必ず冷蔵庫で保管します。
小分けにして使います。入れる容器は遮光のものが好ましいです。どの容器も、必ず消毒用エタノールで消毒してから使ってください。
ガラス容器を使う場合は、煮沸消毒して乾かしてから使います。
保存期間ですが、市販のものであれば開封後3ヶ月以内が目安です。でも手作りの場合、出来るだけ早く使いきった方がいいでしょう。水がほとんどなので腐りやすいです。
大量に作らず、こまめに少量を作るようにした方がいいですね。