植物エキスの抽出方法を5つ紹介。溶けだす成分の違いや肌への安全性

キウイエキス

最近では『ボタニカルなシャンプー』とか『植物由来の成分を配合』とうたっている化粧品が多く宣伝されています。

そういった商品では、【植物エキス】が配合されていることが多いですね。

植物エキスというのは、「植物から抽出したエキス」という意味で、一見するとすごく肌に優しいようなイメージがあります。

しかし、実はどの抽出溶剤を使って抽出しているかによって、違いが出てくるものなんです。

そこで今回の記事では、植物エキスの抽出方法と、抽出溶剤の種類を紹介したいと思います。

時短

植物エキス(ハーブエキス)の抽出方法5つ

植物エキス(ハーブエキス)は、以下の様な方法で抽出できます。抽出できる成分は、どんな方法で抽出するかで異なります。

1、水・・・水溶性成分
2、油・・・油溶性成分
3、アルコール・・・水溶性成分、油溶性成分
4、PG(プロピレングリコール)、BG・・・水溶性成分、油溶性成分
5、PG(1,3-プロバンジオール)・・・水溶性成分、油溶性成分

水で抽出した場合は水溶性成分しか溶けだしませんが、長期間かけて抽出したり、加熱することで、油溶性成分も抽出可能です。

植物には高熱に弱い成分もありますので、そういった成分を抽出したい場合は加熱は向きません。

油で抽出した場合は、油溶性成分が抽出できます。植物を浸け込んだオイルを『インフューズドオイル』と呼ぶこともあります。

アルコールで抽出した場合は、水溶性成分も油溶性成分も抽出できます。

石油由来のアルコール(エタノール)や、植物を発酵させて作られたエタノール、お酒などを使います。

PG(プロピレングリコール)とBG(ブチレングリコール)は、どちらも石油由来の合成成分です。

この2種の溶剤が、市販の化粧品などに使われることが多いです。

PG(プロピレングリコール)は経皮毒の可能性があるとかで、最近ではあんまりいいイメージがないため、BGを使う会社が多いですね。

経皮毒(けいひどく)とは、日常使われる製品を通じて、皮膚から有害性のある化学物質が吸収されることとして、稲津教久らがその著書で使用している造語。
出典:wikipedia

PG(1,3-プロバンジオール)は、PG(プロピレングリコール)と似ていてちょっとややこしいんですが、植物のデンプンを発酵させて作られるもので、プロピレングリコールやBGを使うより肌に優しいとされています。

オーガニックコスメで使われる溶剤の種類

カレンデュラオイルを濾す

オーガニックコスメでは、『水』『油』『穀物を発酵醸造したエタノール(アルコール)』を抽出溶剤として使います。これらは合成成分ではないからです。

自分でオイルを使って抽出したい場合は、お好みの植物オイルを使います。

エキスが溶けだすまでに2週間ほどかかるので、酸化の遅いオイルを使うといいですね。オススメはホホバオイルです。

好みのオイルの保存期間を長くしたい場合は、少量のウィートジャムオイルを加えて保存期間を延ばしましょう。だいたい1割くらい入れておくといいかと思います。

アルコール抽出の場合ですが、成分表示ではアルコールはエタノールと表記されますので、成分表を見る時は参考にして下さい。

石油由来ではないエタノールを使ってエキスを抽出したい場合は、植物発酵のエタノールを使って下さい。だいたい無水エタノールとして販売されています。

薬局などで手に入りますし、通販でも購入可能です。

成分表を見て抽出溶剤は分かるの?

成分表には、どんな溶剤を使おうが「○○エキス」と表記されます。

ただ、同時に成分表に「BG」とか「PG」と書かれていたりするので、その場合はBGで抽出したんだなとか、そういったことを知ることができます。

でもPGとしか書かれていない場合は、プロピレングリコールなのか1,3-プロバンジオールなのか分かりません。

また、「エタノール」とだけ書かれている場合も、石油由来なのか植物発酵なのかは成分表を見ても分かりません。

市販されている一般的な化粧品だと、安価で防腐性のあるBGやPGなどの、石油由来の抽出剤を使った植物エキスが使われていることがほとんどです。

PG(プロピレングリコール)は、先ほども書きましたが経皮毒の可能性があるので、出来ればこれは避けたいところですね。



自分でエキスを抽出したい場合に選ぶ溶剤

紫根エキスを濾す

成分としては、出来れば水溶性の成分も油溶性の成分も、どちらも入っている方がいいですよね。どっちの成分も欲しいですし。

肌への刺激の少なさだったり安全性を考えると、「アルコール度数の高いお酒」「エタノール(穀物発酵による)」「PG(1,3-プロバンジオール)」のどれかで抽出したエキスがいいかなと思います。

人によってはPG(1,3-プロバンジオール)も嫌だという方もいるので、そういう場合はアルコールによる抽出をするといいでしょう。

ただ、肌質によってはアルコールがダメな方もいますので、その場合はPG(1,3-プロバンジオール)がいいかなと思います。

アルコールを溶剤に使う場合は、度数によって得られる成分が違ってくるのでちょっとややこしいんですが、だいたい40度前後のアルコール度数で抽出されている方が多いようです。

アルコール度数について

40度くらいのアルコール度数のお酒の場合は、そのままハーブを漬けこむだけでOKです。

スピリタスなどのアルコール度数の高いお酒は、精製水で度数が40くらいになるように薄めて使います。

無水エタノールを使う場合も同じで、度数が40くらいになるように精製水で薄めて使います。例えば「無水エタノール40ml+精製水60ml」など。

アルコール度数が25度くらいの低さになっちゃうと、主に水溶性の成分しか得られないようですので、最低でも40度ほどあるといいのではないかなと思うんですが、こればかりはアレコレ実験やってみないと分からないかもしれないですね。

とりあえずはアルコール度数40度を目安にしてみて下さい。

化粧水を作る場合、アルコールを湯煎して飛ばそう

アルコールを使ってエキスを抽出した場合で、手作り化粧水作りに使いたい場合は、アルコールを飛ばすのが一般的です。

湯煎すればアルコールを飛ばせますので、湯煎してから精製水と混ぜて化粧水を作ります。

化粧水を作る場合、基本的にはハーブエキスが5%の濃度になるように作ります。(精製水95ml+ハーブエキス5ml)

とはいえ、アルコールは完全に飛ばせるわけではないと思うので、アルコールに敏感な方はパッチテストをするなどしてから使いましょう。

なお、湯煎でアルコールを飛ばした後はあまり日持ちしなくなります。

すぐ使う量だけアルコールを飛ばして、保存しておく分はアルコールを飛ばさないまま保存しましょう。そうすれば1年くらいは保存できます。

お酒で抽出したエキスは飲むことができます

アルコール度数の高いお酒にハーブを漬けてエキスを抽出した場合は、ハーブエキスを飲むこともできます。ティンクチャー、チンキなどとも呼ばれます。

そのまま飲むのではなく、お湯やホットミルクに数滴たらして飲みます。

アルコールを飛ばしたい場合は、ハーブエキスを入れてからレンジでチンして加熱して下さい。

海外では、こうした飲用のお酒で抽出したハーブチンキを、健康のために飲んでいる方も多いのだそうです。

日本で主流といえばハーブティーですかね。でも薬用養命酒なんかはチンキ剤の作り方と同じ作り方なのだそうですよ。